諸事情で発行が少し遅れたようですが、以下のメルマガの私の担当記事「オランダよもやま話(その9)」に関しての画像ほか、参考資料をあげておきます。

実践オランダ語講座Vol.14

ここ3号にわたって紹介したフォンデルは、今回でおしまいです。本当は2号完結にしようと思っていたのですが、・・・フォンデルがあまりに偉大なので(?)、おさまり切らず(笑)。

さて、今回は、『Gijsbrecht van Aemstel(アムステルのヘイスブレヒト)』が初演された、アムステルダム市立劇場のことも、少しご紹介してみます。

現在のアムステルダム市立劇場は、Leidseplein(ライツェプレイン=ライツェ広場)に建っています。実は、私も以前ここでとある公演を行ったことがありますが、これは上記のフォンデルの悲劇が初演された場所ではありません。

当時の劇場は、Keizersgracht(カイザースフラハト=カイザー運河)に沿ったところにあったそうです。

keizersgracht384-1.gif

画像右上の「Academy(アカデミー)」とあるところがそうです。

以下も、同じ場所を描いたものです。「Schouwburg(劇場)」という文字が見えますね?

keizersgracht384-2.gif

現在は、表門だけが残っています。かつてはフォンデルによる以下のエピグラムが掲げられていたといいます。

De weereld is een speeltoneel
Elck speelt zijn rol en krijght zijn deel

これを訳すと、まあ、こんな感じかと・・・

世は芝居の舞台である
各々がその役を演じ、分を担う

その「門」というのはコレです。

486px-Schouwburgpoort1795.jpg

ただ、上の絵は、おそらくフォンデルの時代より1世紀くらい後(18世紀)のものだと思います。

当時のアムステルダムの劇場、これはアムステルダムに初めて建てられたものですが、中身はこんなだったようです。

Schouwbrug_van_campen1.jpg

Schouwbrug_van_campen2.jpg

そして、『アームステルのヘイスブレヒト』第4幕のデッサンが残っているのですって。かのレンブラントの手によるものです。

4debedrijf-Rembrandt-tekening.jpg

かの有名な、レンブラントの「夜景夜警(Nachtwacht)」と題された絵画は、この悲劇『アームステルのヘイスブレヒト』の舞台にヒントを得て描かれたという説もあるそうですが・・・?

720px-The_Nightwatch_by_Rembrandt.jpg

17世紀に書かれたこの悲劇の舞台は、アムステルダム1304年という設定です。その頃のアムステルダムは、以下の絵のような、「村」と呼んだ方がふさわしいほどの小さな地域でした。現在の航空写真を下に並べてみます。「IJ(海のところです)」の位置がちょっと違っていますが、比べてみると面白いと思います。

564px-Amsterdam_in_the_year_1300_crop.jpg
Amsterdam2007.jpg

その古(いにしえ)のアムステルダムに起こった悲劇、その1シーンを描いたもの。

Gijsbrecht_gijs.jpg

初演から1969年まで続いた上演の歴史の中での、以下は18世紀の上演の様子を描いたものです。中央のものは、最後の第5幕で天井から天使ラファエルが降臨する場面ですね。

18deeeuws-Gijsbrecht.gif

そうそう!メルマガでひとつ大切なことを書き忘れてしまいました。

なので、ここにこっそり(笑)書き添えておきます。編集者さん、すみません…

フォンデルは、この悲劇を当時の諸々の「お約束」に則って書いたわけですが、その中に「古典」つまりギリシャ・ローマ神話や聖書を引用し、それを凌駕する、というのがありました。『ヘイスブレヒト』では、ギリシャ神話のエネアスから、トロイの木馬のことや、エネアスが神託により新たな町(つまりローマ)を築いたことが引用されています。では、フォンデルは、それを自分の劇中でどのように「凌駕」したのでしょうか?

そーんな大事なことを忘れちゃった私でした・・・ XXX (←あっ、バツのつもりで打ったこれって、タテに見ればアムステルダムのマークです!)

wapenvanamsterdam.gif



ギリシャ神話のエネアスは、一種のご褒美として、ローマという新しい町を与えられる。

でも、それをフォンデルの生きたキリスト教社会に引用かつ適合させ、しかもキリスト教的な観点からよい物語にするには・・・

主人公ヘイスブレヒトは、アムステルダムを出て豊かなプロイセンに新しい町を築くよう、天使に導かれるのですが、それはエネアスのように約束されたものではなく、実のところ、何の保証もありません。つまり、キリスト教でいうところの、見返りを求めない、無償の献身というものを表しているのだそうです。

「どうじゃ、これで、ギリシア神話より美しかろう?」と、フォンデルが言ったかどうかは定かではありませんが(笑)。

ちなみに、メルマガ中でご紹介した「トマト爆弾」(笑)の画像は、なかなか見つかりません。
あったら面白いのに…(笑)

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【2009/03/1508:30】 |『実践オランダ語講座』メルマガ用参考資料
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