今回の内容は、私も執筆している『実践オランダ語講座』の参考資料としてあげておきます。

私の担当記事では、今回、日本の秋には欠かせない(笑)キンモクセイはオランダに存在しないのか?日本から膨大なコレクションを持ち帰ったかの出島の医師シーボルトは、キンモクセイは持ち帰らなかったのか?という、私の長年の謎について触れています。

実践オランダ語講座vol.7

今後もご購読くださるという方は、どうぞ以下のリンクよりご登録ください(もちろん無料です!)これは「ポリグロット語学研究所」という東京の語学関連会社が「まぐまぐ」から配信しているメールマガジンです:

実践オランダ語講座

さて、メールマガジンではご紹介することのできない画像資料をこちらで補っていこうと思います。

まずは、これです:

florajaponicaboeken.jpg

『Flora Japonica(フローラ・ヤポニカ)』の日本語版『日本の植物』図版と記述版の二冊、そしてシーボルトが日本から持ち帰った植物の植えられているライデン大学付属植物園のガイドブックです。内容は、蘭・英・日(拙訳です)の3ヶ国語で読めるようになっています。

翻訳の仕事とコンサートが重なって忙しかった今週でしたが、木曜日の午後、ちょっとだけ時間ができたので、植物園の園芸主任(カーラさんという女性で、長年の知り合いです)に会いがてら、秋の植物園散歩+写真撮影に行ってきました。

hortus-danielmarrotkas.jpg

これは、入り口を背に門を入った右手にある18世紀の温室です。この建物は、ダニエル・マロというフランスの建築家によるもので、この人はかのハウス・テン・ボス(オランダ王室のお住まい)の庭園設計をした人でもあります。その庭というのは、実は当時は実現しなかったのですが、なんと!長崎にあるテーマパーク「ハウス・テン・ボス」の庭園というのは、この幻の庭園を復元したものだそうです。私も行ったことがあります(庭園が目的というわけではなかったのですが)。そういうわけで、世界中で日本でだけ、その庭を見ることができます。なんともバブリーな(笑)びっくり話ですね。そうはいっても、この庭園がなんとか「泡と消えずに」よかったとも思います。

その温室の壁には、アケビが植えられています。

hortusakebia.jpg

熱帯植物用の温室は別にあるのですが、それはまたの機会にご紹介することとして、日本の植物に焦点を当てていきます。

アケビのある温室の正面の遊歩道ぞいには、フジ(紫、白い花の2種)、ヤマフジ、あと、これは中国原産ですがキウイの原種サルナシもあります。実もなるそうです。

hortusfuji.jpg

そして、その遊歩道を越えて右手の方へ歩くと、フォン=シーボルト記念日本庭園があり、その一角に、青銅製シーボルトさんがおられます(笑)。

hortussieboldtuin.jpg

作庭は、京都の庭師の方とオランダ人の(日本の)園芸専門家との合作です。上のシーボルト像の背景には、ちゃんと、アジサイが植えられています。シーボルトは出島の日本人妻「おタキ」さんに因み、アジサイの一種に「Otaksa(オタクサ)」と名づけました。最初の画像中、『日本の植物』の表紙にあるの薄紫のアジサイが「オタクサ」です。モミジもちょうど紅葉の最中(さなか)です。

先の(ゴヨウ)アケビ、フジなど、ここにはシーボルトが植えたとされている植物が十数種あります。

akebiaflorajaponica.jpg

『フローラ・ヤポニカ』より、ゴヨウアケビの植物画です。

ところで、「キンモクセイの謎」、今回真面目に(笑)園芸主任カーラさんに伺ってみました。

「シーボルトの持ってきた植物リストの中に、キンモクセイもあったかどうかわかる?」

すると、彼女は早速調べて翌日こんな返事をくれました:

Ik heb het nagekeken over Osmanthus fragrans en over Osmanthus fragrans ‘Aurantiacus’ (dat is die met oranje bloemen), maar die heeft Siebold niet in Nederland ingevoerd; misschien wist hij wel dat die struik het onze winters niet zou kunnen doorstaan.

だそうです。つまり、あのオレンジ色の小花のキンモクセイは、シーボルトはオランダに送らなかった。きっと彼自身、オランダの冬をサバイブできないだろうことがわかっていたのではないか、ということです。

また、こんなことも調べてくれました(感涙):

Hij heeft wel 2 andere soorten Osmanthus meegenomen, die ook lekker ruiken (dat doen alle Osmanthussen). Hij bracht van zijn 2e reis naar Japan (1859-1861) mee:

Osmanthus serrulatus en Osmanthus heterophyllus ‘Variegatus’ (die heeft bont blad).

シーボルトは、スパイ容疑で国外強制退去(1829年)になった後、長男アレキサンダーを連れて再度来日 (1859-1861)していますが、その時に、オレンジの花ではない別の種類のモクセイ属の2種を持ち帰ったそうです。ラテン語名から逆検索(笑)してみると、Osmanthus serrulatusは中国語(短丝木犀)でしか見つかりませんが、Osmanthus heterophyllus というのは、どうもヒイラギの一種のようです。

というわけで、日本ではいくらでも見られるキンモクセイは、オランダの庭には一本もない、ということがわかりました。

ちなみに、キンモクセイは、江戸時代に中国から日本へ伝えられたそうで、シーボルトが日本に滞在していた文政の頃には、秋になれば長崎の町にも香りを漂わせていたはずだと思います。

最後に、これもシーボルトが植えた日本のツタ(も植物園にあります)から挿し木で増やしたものだそうです:

hortustsuta.jpg

その旨、ここに書かれていました:

tsutabeschrijving.jpg

カーラさんたちは、こうして人知れず、日本の植物を増やす仕事もしているのですね。

ここに落ちていたのと、日本庭園のモミジの落ち葉を何枚かもらってきました。ツタもモミジも真っ赤できれいです(なにかの歌詞にもありましたっけ)。

tsutamomiji.jpg

押し葉にして栞(しおり)を作ろうかと思っています。

にほんブログ村 海外生活ブログ オランダ情報へ

【2008/11/0120:28】 |『実践オランダ語講座』メルマガ用参考資料
トラックバック(0) |


豪州サンディ
こちらでは、紫陽花であれば薄紫でも青でも、全部「オタクサ」と呼んでいるようです。
yumikoさんのブログを拝見していると、子供の頃の夢だったオランダ行を実現させたくなります。

しばらくブログ更新を休んでいましたが、復活させました。(笑)
また私のブログにも、遊びにいらして下さいね!



プー猫@森の国
v-22サンディーさん、
ええっ!ほんとに?アジサイ全て「オタクサ」と呼ぶんですか?びっくりです!えっと、それはやはり、日本(出島)→インドネシア経由→豪州ということなのかしら?きゃー、新たな謎ができました!

隣のオーストラリア人の奥さんにも聞いてみよう!

実は、昨日、サンディさんの所へもおじゃましました。
復活おめでとうございます。人生いろいろな事がありますけど、どうぞ、元気でお過ごしください。


コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
こちらでは、紫陽花であれば薄紫でも青でも、全部「オタクサ」と呼んでいるようです。
yumikoさんのブログを拝見していると、子供の頃の夢だったオランダ行を実現させたくなります。

しばらくブログ更新を休んでいましたが、復活させました。(笑)
また私のブログにも、遊びにいらして下さいね!
2008/11/05(Wed)02:54 | URL | 豪州サンディ #iR.QoHJk[ 編集]
v-22サンディーさん、
ええっ!ほんとに?アジサイ全て「オタクサ」と呼ぶんですか?びっくりです!えっと、それはやはり、日本(出島)→インドネシア経由→豪州ということなのかしら?きゃー、新たな謎ができました!

隣のオーストラリア人の奥さんにも聞いてみよう!

実は、昨日、サンディさんの所へもおじゃましました。
復活おめでとうございます。人生いろいろな事がありますけど、どうぞ、元気でお過ごしください。
2008/11/05(Wed)08:08 | URL | プー猫@森の国 #-[ 編集]
コメントを投稿
Mail:
URL:

Pass:
秘密:管理者にだけ表示を許可
 


トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック